居眠り運転防止! 眠気抑制システムをパナソニックが開発
居眠り運転防止! 眠気抑制システムをパナソニックが開発
一般のドライバーももちろんですが、仕事でクルマを運転する方にとって特に気をつけたいのが運転中の眠気です。気を張っていても、気温や体調によっては運転中に眠気を感じることがあるという方も多いのではないでしょうか? そんな運転中の眠気を感知し快適に覚醒状態へと導いてくれるシステムが開発され、注目を集めています。どのようなシステムなのかをご紹介します。
運転中の無自覚な眠気を感知、少し先の眠気も予測する
昨年秋に幕張メッセで開催されたCPS/IoT総合展「CEATEC JAPAN 2017」にて展示された、パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社の「感情・体調センシング」。人の眠気を検知し、覚醒状態を維持させる眠気抑制システムです。
従来の眠気感知システムは、本格的に眠気を感じている状態にならなければ感知できませんでした。それに対してこの新システムは、「自覚のない浅い眠気」や「眠気を感じ始める前段階の状態」を感知できるのが特徴です。
前方に取り付けたカメラでドライバーの瞬きや表情などをモニタリング。AI分析によりさまざまなレベルの眠気を検知します。初期段階の浅い眠気も検知可能です。さらに、放熱量や照度など車内環境を計測したデータで、少し先の眠気を予測します。
放熱量の計測で眠気の推移を予測
運転中の眠気は車内環境に依存することが知られており、「寒く明るい環境では眠くなりにくく、暖かく薄暗い環境では眠くなりやすい」とされています。しかし、同じ環境にあっても着ている服の違いなどによって眠気の感じ方が変わってくるため、環境データのみで眠気を検知するのは難しいという問題がありました。
そこで、千葉大学との共同研究により放熱量と眠気の関係性を明らかにし、放熱量の計測データなどから眠気の推移を予測できるようになったのです。
快適な運転を妨げずに眠気を抑制する
従来のシステムでは、ドライバーの眠気を検知した場合にアラート音や振動などにより覚醒を促す方法が多く、眠気は抑えられるものの運転中に不快感を味わうことになるものが一般的でした。感情・体調センシングには、快適性を損なわずに覚醒状態を維持させる工夫も取り入れられています。
これは、奈良女子大学との共同研究により開発された「温冷感推定技術」によるもの。人の「暑い」「寒い」という感覚を赤外線アレイセンサでモニタリングし、空調や音声によるアラートなど最適な手段を選んで覚醒状態を維持させます。眠くなる前に空調を制御するなどでさりげなく眠気を抑制するため、快適な運転を続けることができるというわけです。
まとめ
細心の注意を払っていても、どうしても眠気を感じることはあるものです。今後、こうしたシステムが一般化していくことで、システム側での居眠り運転対策が進んでいくことを期待したいところですね。