バス運転手におすすめ! 緊急時の命綱「普通救命講習」
バス運転手におすすめ! 緊急時の命綱「普通救命講習」
普通救命講習とは?
「普通救命講習」とは、各自治体の消防署が開催している緊急時の救命対処方法に関する講習です。普通救命講習では、心肺蘇生法(成人)やAEDの使用方法、異物除去、止血法など、救命対処方法の基礎的な部分を学ぶことができます。
この講習を受けることで、例えばバス乗客の高齢者の方が急に危篤となった場合やケガをしてしまった場合などに、救急車が到達するまでに応急処置をして時間稼ぎをすることができるようになります。
高齢者の場合とっさの救命対応が取れるかが命に関わることも多いため、介護送迎バスの運転手の方などはぜひ受講しておきたい講習です。
普通救命講習の内容・時間・費用・参加資格など
普通救命講習の詳しい内容については、次のようになります。
【講習内容】
実習が主体の講習となり、10名程度の参加者と一緒に消防署内で心肺蘇生やAED、異物除去、止血法に関する講習を行います。講習時間は約3時間となります。
【費用】
自治体によりますが、参加費用は1000円程度が目安です。
【参加資格】
基本的にはどなたでも参加可能です。
【日時】
消防署によりますが、基本的には平日の日中に開催されることが多いです。
【その他】
当日の持ち物は筆記用具と諸費用となります。また当日は体を動かす実習もあるため動きやすい服装で参加するのが望ましいです。
資格取得のメリット
普通救命講習に参加し技能資格を取得すると、以下のメリットが期待できます。
1. 室内外で応急処置ができる
2. 介護や福祉の仕事に活かせる
3. 防災士の資格取得に役立つ
普通救命講習は心肺蘇生・AEDの使い方を中心に応急手当のスキルが身につく講習です。緊急時に応急処置が行えるスキルと同時に、室内外で発生するアクシデントに対して冷静に対応でき、救急車が到着するまでに適切な処置が行えます。
介護・福祉など高齢者と接するお仕事でも普通救命講習で学んだスキルが活かせるため、「万が一に活用できるスキル」を持っていることで安心感が得られます。
高齢者に限らず、子どもから大人まで誰もがアクシデントに見舞われる可能性はあります。地震などの大災害やウイルスによる感染症の影響も含め、緊急事態に備えをしておくことが大切ではないでしょうか。
普通救命講習を受け手おくと、近年注目されている「防災士」の資格取得にも役立ちます。
防災士は特定非営利活動法人日本防災士機構が主催する資格試験で、普通救命講習に加えて「救急法一般講習または基礎講習」を受講しなければなりません。
普通救命講習を受けていると防災士になるための要件が一つクリアできるので、受験に有利にはたらきます。
認定証について
普通救命講習を最後まで受講すると、救命技術の基礎を理解した証として「救命技能認定証」が配布されます。救命技能認定証の有効期間は3年となり、有効期間が切れる3年後に再確認も含めて、再講習を受けることが勧められています。
上級者向けの講習
普通救命講習のほかに、「普通救命(自動体外式除細動器業務従事者)講習」「上級救命講習」といったさらに上位の講習も用意されています。こちらでは小児・乳児の心肺蘇生、傷病者管理、外傷の応急手当、搬送法などさらに専門的な救命技術を学ぶことができます。こちらもあって損はない技術ですので、運転手の方であれば出来れば受講しておきたいところです。
普通救命講習を受講していない人が救命措置を行ってはいけないというわけではありませんが、何も知らない素人がいざ救命措置をしようとしてもなかなか上手くできるものではありません。運転手の場合、自分ひとりでどうにかしなくてはならない場面もあるかと思います。救命措置の知識や経験がまったくない方は一度受講してみてはいかがでしょうか。