準中型1種免許とは?運転可能車種と取得費用について
準中型1種免許とは
新しく設立された「準中型1種免許」という免許をご存知でしょうか。
2017年に免許制度が変わり、それにともに「準中型1種免許」が新設されたのですが、まだまだ知っている人は少ないものです。
「自分には関係のないこと」と考えがちですが、認識の誤りによって取得している免許では認められていない車種を運転してしまう可能性があるため、免許制度に関してはきちんと理解しておかなければなりません。
そこで、今回は2017年3月に新設された「準中型1種免許」について解説します。
準中型1種免許とは、冒頭でも触れた通り、2017年に新設された免許です。
この免許が新設された狙いとしては「交通事故の削減」が理由の一つとして挙げられます。この準中型免許が設立される前は普通自動車免許でも4トントラックの運転が可能でした。しかし、教習所の講習では実際に4トントラックの技能講習はなく、「コンフォート」といった乗用車の技能講習だけだったのです。
そのため、普通自動車免許取得者によるトラックなどの交通事故が問題視されていました。そういった状況を懸念し新設されたのが「準中型1種免許」なのです。
普通自動車免許で運転が可能な車種を減らすことで、交通事故を減少させることができると考えられ、この準中型1種免許が設立されることになりました。
準中型1種免許が運転できる車種
準中型自動車とは
・車両重量3.5t以上7.5t未満
・最大積載量2.0t以上4.5t未満
・乗車定員10人以下
以上の条件を満たした自動車を指します。
上記から分かる通り、大型車両の運転はできませんが、乗用車以上の大きさである車両の運転が可能です。
また、一般的な特殊免許とは異なり、免許取得が可能な年齢が18歳からと低い年齢で免許を取得することができます。そのため、早ければ高校生の段階で準中型1種免許の取得ができるのです。
ちなみに、中型免許の場合は年齢が満20歳以上で、なおかつ普通免許以上の免許を取得してから通算2年以上経過していなければ取得ができません。
そのため、10代のうちに特殊免許を取得しておきたいという場合は、準中型1種免許のみが取得可能ということになります。
●車種
いわゆる2tトラックや3tトラックが当てはまります。
わかりやすい例を挙げると、コンビニ等の荷物配送車、引っ越しトラックが該当しています。
他にも宅配業者の保冷設備が付いたトラックなども準中型自動車です。
物流業界などで4tトラックと呼ばれているものがありますが、実際には車両総重量が8t程度になるので、準中型免許の条件である7.5t未満を超えてしまうので該当していません。
マイクロバスの車種によっては定員14名となっているので、乗員人数オーバーになるので準中型自動車ではありません。
準中型1種免許の取得費用
準中型1種免許を取得するうえで費用面に関する不安を感じる方は多いのではないでしょうか。
一般的に、普通免許よりも特殊免許のほうが取得費用が高い傾向にあり、あまり予算に余裕がない方にとっては気になるポイントであると思います。
しかし、準中型1種免許の取得費用は意外にも安価で、普通自動車免許を取得している方であれば費用相場は10~15万円です。
仮に、普通免許を取得していなかったとしても30万円ほどで取得できます。普通自動車免許と準中型1種免許を1台ずつ免許取得するよりも安価で、特殊免許の中では安価に取得できる免許といえます。
また、なるべく取得費用を抑えたいという方はAT限定の準中型1種免許を取得することもおすすめです。最近では、ATの2トントラックなどが多く展開されているため、AT限定免許であっても需要があるといわれています。
AT限定でればMT免許と比較すると数万円安く取得できることが多いため、予算に余裕がない方は検討してみてはいかがでしょうか。
準中型に2種はない
平成29年に法改正がされ準中型免許が新設されたことから、今まで普通免許を持っていた人は「準中型免許」に変更されました。
問題は、準中型免許だけ2種が存在しないことです。
法改正で今までの免許はランクアップと言える形になっていますが、準中型2種免許が存在しないため、普通2種免許を持っていた人は中型2種免許(5t限定)に変更されるのです。
何もせず自動的に中型2種免許にランクアップしたように感じますが、残念ながら「5t限定」とついているため、運転できる車両の大きさは変わりません。
つまり、中型車両は運転できないのに5t未満の準中型車両なら運転できるという、とてもわかりづらい状況になってしまっています。
まとめ
今回の記事では準中型1種免許の概要や運転可能車種、免許の取得費用についてご紹介しました。
現時点で取得している免許では運転ができない車種が存在するため、定期的に法改正の情報や新設される免許の情報には目を通しておくことをおすすめします。
ぜひ、今回の記事を参考にしながら、まずは「準中型1種免許」について理解を深めてみてはいかがでしょうか。