緊急時は躊躇せずに使うことが大切! 「AED」の使い方を知っておこう
緊急時は躊躇せずに使うことが大切! 「AED」の使い方を知っておこう
近年では、駅や公共施設など多くの場所でAEDを見かけるようになりました。AEDは心停止を起こした方の蘇生を目的とした機器です。しかし、AEDは普段なかなか触る機会がないものなので、いざというときに使えるのかと考えると心配ですよね。
そこで今回は、AEDについて知っておきたいポイントや、AEDの使い方について紹介します。
AEDってどういったもの?
AEDというのは、「Automated External Defibrillator」の頭文字を取ったもので、「自動体外式除細動器」を意味します。
AEDは、心室細動という不整脈で心停止を起こした人に対して使います。心室細動が起きると心臓が細かく震えて血液が送り出せなくなってしまいます。心室細動による心停止に対し、電気ショックの刺激で心臓のけいれんを除去するのがAEDの役割です。
AEDを使う前に心肺蘇生法をしよう
倒れている人を見つけたらまずは意識を確認し、近くにいる人にも協力を求めて119番に連絡してもらいます。倒れている人の胸の動きを見て、もしも呼吸がなければ周囲にいる人にAEDを持ってきてもらいましょう。AEDの到着までは、1分間に100回のテンポで30回、胸部を圧迫する心肺蘇生法を行います。大人の場合には胸元が5cm沈む強さで、子どもなら胸元が胸の厚さの3分の1程度沈む強さで圧迫しましょう。
AEDの正しい使い方とは?
AEDはフタを開ければ自動で電源が入るものと、手動で電源を入れるタイプがあります。電源が入ると音声ガイダンスが流れるので、説明に従って使いましょう。
まずは倒れている人の服の前を開けて、AEDの電極パッドを胸元に貼りつけます。パッドは胸の右上と左下に、心臓の位置を挟むようにして貼りましょう。この状態で除細動ボタンを押すと、AEDが自動で心臓の状態をチェックします。「電気ショックが必要です」というメッセージが流れた場合には、倒れている人に触っている人がいないことを確認してからショックボタンを押します。
電気ショックのあとには胸骨圧迫を再開し、救急車の到着までAEDの指示に従って約2分おきに電気ショックを与えましょう。
AEDはためらわず使うことが大切
周囲で万一の事態が起きたときにはまずは冷静になって状況を確認し、倒れている人が心肺停止の状態に陥っていたらAEDを使用しましょう。心室細動以外が原因で心停止が起きた場合には、AEDは「電気ショックは不要です」というガイダンスを流します。AEDには心臓の状態を自動で判断する機能が備わっているので、心肺停止状態の人がいる場合にはためらわずAEDを使うことが大切です。
ときには、子どもが倒れる現場に居合わせる可能性も考えられます。AEDは大人だけでなく子どもにも使えるということも知っておきたいですね。
バスの運転手をしていると、乗客の体調が悪化し、心配停止になるなどの事態が発生することもあります。もしものときに備えてAEDの使い方を知っておくことが、誰かの尊い命を救うことになるかもしれません。AEDは身近な場所に備えつけられているので設置場所をチェックしておき、万一のときには勇気を持って使ってみてくださいね。