普通免許で運転できない! マイクロバスに必要な免許とは
普通免許で運転できない! マイクロバスに必要な免許とは
平成19年の免許の法改正により、それ以前に普通免許を持っていた人の免許証には、「中型免許(中型車は中型車(8t)に限る)」と記入されるようになりました。「中型免許」とあるため、自分も小型のマイクロバスなら運転できるのでは、と考える方が多いようです。しかし結論を言うと、8t限定の中型免許ではマイクロバスを運転することができません。
ここでは、なぜ8t限定免許ではマイクロバスを運転できないのか、どのような免許なら運転できるのか、また、取得方法なども合わせてご紹介します。
マイクロバスとは? 運転できる免許は?
一般的に言うマイクロバスとは、車両総重量が8t未満、最大積載量が5t未満、全長7m未満の車体を指します。定員は補助席を含めて26名ほど(最大29名)です。幼稚園などの送迎バスにはマイクロバスが使われることがあります。
このマイクロバスを運転するには、「中型免許(8t限定なし)」もしくは「大型免許」が必要になります。また「中型免許(8t限定)」をお持ちであれば、限定を解除することにより、マイクロバスの運転が可能になります。
普通免許や8t限定の中型免許では運転できない
平成19年(2007年)6月2日から登場した「中型免許」。それまでは「普通免許・大型免許」の2種類でしたが、「普通免許・中型免許・大型免許」の3種類になりました。この法改正以前に普通免許を持っていた人は、その免許証の記載が「中型免許(中型車は中型車(8t)に限る)」に変わり、「中型限定免許」と呼ばれるものになりました。そのため、8t限定の中型免許でもマイクロバスが運転できる、という誤解が生じやすくなったのです。
注意したいポイントはこの2つです。
・8t限定の中型免許で運転できる自動車は、法改正以前の普通免許と同じ(車両総重量が8t未満で、乗車定員は10人まで)
・マイクロバスの定員は26名(8t限定中型免許の定員は10名まで)
中型免許の8t限定を解除するには
8t限定の中型免許をお持ちの方は、「限定解除」をすることでマイクロバスの運転が可能になります。
限定解除するには、20歳以上で普通免許を取得してから2年以上経過(免許効力停止期間を除く)していなければなりません。
中型免許は、中型教習車による教習と技能審査に合格することで取得できます。限定解除教習に学科教習や学科試験はありません。
限定解除の方法は2つあるので、それぞれの費用などを比べてみましょう。
■自動車学校に通う■
自動車学校に通い、4〜6時間技能教習を受けたのち、運転試験場に免許を申請する方法です。
早ければ5日ほどで限定解除ができます。
教習の費用は自動車学校によって差がありますが、中型8t限定免許をお持ちの方で7万~10万円程度、中型8tAT限定免許をお持ちの場合は、9万円~14万円程度になります。
■一発試験(試験場で技能試験を受験する)■
もう一つは「一発試験」と呼ばれる、運転試験場で直接技能試験を受けるという方法です。
試験内容は技能のみですが、難易度が非常に高く、合格率は20~30%と低めです。
都内警視庁管轄においての費用は、3,000円(受験料1,450円、試験車使用料1,550円)と、自動車学校に通うよりはかなり安く済みます。しかし、何度も受験しなければならなくなった場合、余計に時間や費用がかかってくることもあるようです。
最後に
8t限定の中型免許ではマイクロバスを運転することはできず、「限定解除」をすることにより運転できるようになることがわご理解いただけたでしょうか。限定解除を行えば運転できるマイクロバスですが、マイクロバスは普通車と比べると約1.5倍も大きく、運転も難しくなってきます。運転する際には、速度や内輪差に注意しながら慎重に行ってください。