居眠り運転防止に繋がる! 感情を認識するAIの開発
居眠り運転防止に繋がる! 感情を認識するAIの開発
長距離運転をしていて、眠たくなったり退屈になることはありませんか?
特に、トラックの運転手や高速バスの運転手は、長い距離を一人で運転しなくてはいけません。車の運転は、長距離になればなるほど危険が伴います。
高速道路は、信号もなく風景もほとんど変わりません。あまりにも退屈で眠たくなってしまうこともあるでしょう。そんな長距離運転を支えてくれるAIが開発されました。
未来の車とも思える技術とは、どんなものなのでしょうか。
雑音の多い場所でも運転手の声を認識して感情を理解してくれるAI
自動車向けの音声サービス、AIインフォテイメントサービスを、NTTドコモとEmpathが共同開発をしたと発表されました。
AIは、車の走行中のエンジン音、雑音の中からでも運転手の声を認識し、感情を理解することができます。
まず、運転手の声の高さ、声色を認識し、事前に組み込まれた感情認識モデルを使い、今の運転手の感情が「怒り」「喜び」「悲しみ」のどの感情に当てはまるかを推測します。その感情に合わせて、AIが運転手に話しかけるというのです。
自動車向けの音声サービス
感情認識モデルには、車のエンジン音もインプットされているので、エンジン音と人間の言葉を区別することができます。そのため、エンジン音に邪魔されて声から感情が認識できないという事態を避けることが可能です。
実証実験の結果
NTTドコモとEmpathは2017年11月から2018年3月まで、走行中の運転手の声から感情を認識する、認識率を上げるための実験に取り組みました。
自然に発声された対話音声から「怒り」「喜び」「悲しみ」の感情の認識を行うのです。
従来この実験での認識率は60%程度のところを、平均正答率75%で行うことができました。この数値は、業界内では最高水準といえます。
運転手の感情を認識したAIが対話する実証実験も実施されました。
自分の感情を理解してくれたAIと話すことで、運転手の眠気や倦怠感を表す指標値が50%減少することが分かりました。
これは、居眠り運転や走行中にぼーっとしてしまうなどの危険運転への回避につなげることができるということです。
実験に参加した運転手の93%が「AIが自分の事を理解してくれている」と感じたと言います。このAIで車の運転中に、楽しい気分は持続し、悲しい気分を減らすという結果を出すことができたのです。
AI技術で運転時間を楽しく
AIが自分の感情を認識し話しかけてくれることで、車で過ごす退屈な時間が楽しみなひと時に変わるはずです。
運転の時間が楽しくなれば、居眠り運転などの事故防止にも繋がっていくでしょう。仕事上長時間車に乗っていなくてはならない人たちにとって、とても楽しみな新技術です。