高速道路で初の試み!トンネル内で注意喚起のアナウンス

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高速道路で初の試み!トンネル内で注意喚起のアナウンス

高速道路で初の試み!トンネル内で注意喚起のアナウンス

NEXCO中日本は、高速道路のトンネル内を走行する車両に向けて音声で渋滞や工事のアナウンスを行う取り組みを始めました。従来、“警告音”による同様の取り組みは行われてきましたが、“音声”を用いたシステムは、高速道路会社では初めての試みといわれています。ここでは、このシステムの概要や目的、背景などをご紹介します。

トンネルから声が聞こえる?システムの概要

実施区域:小田原厚木道 小田原西IC~大磯IC間(リニューアル工事中)
設置個所:上り……風祭トンネル(810m) 下り……二宮トンネル(450m) 
実施期間:5月14日~7月末予定(工事期間中)
トンネル内に4台のスピーカーをおよそ50m間隔で配置し、「この先、工事走行注意」「この先、渋滞走行注意」の2種類の音声を流します。ドップラー効果(※音源に近づいたり離れたりすることで音程が不安定に聞こえ、音が聞きとりにくくなること)によりアナウンスが聞こえにくくなるのを防ぐため、4台それぞれに時間差をつけて音声を流す仕組みになっています。
さらに音声の周波数にも工夫が施され、車の窓を閉めていても運転手にアナウンスが届く仕組みです。このシステムは、東京芸術大学の亀川徹教授・早稲田大学の山崎芳男名誉教授と、NEXCO中日本が共同で研究・開発しました。

高速道路での死亡事故ゼロを目指して

この取り組みの第一の目的として、高速道路における交通死亡事故の防止が挙げられます。NEXCO中日本が管理する高速道路では、2017年の一年間で40件の交通死亡事故が発生し、内7件は渋滞の末尾にいる車両への追突事故でした。
これまで、工事規制や渋滞などの注意喚起は標識のテロップや標識車を用いてきましたが、ドライバーへ上手く認識されないケースも少なくありませんでした。そこで同社は、ドライバーに対し前方への注意をもっと促す必要があると考えたのです。視覚情報だけでなく、音声情報をプラスすることでより効果的に注意喚起することができ、居眠り運転などを防止する効果が期待できます。
また、ハイウェイラジオを用いなくても道路情報を聞き取ることができるので、ドライバーがラジオを操作する手間が省けるといったメリットもあります。

最後に

トンネル内での音声による注意喚起システムは、ドライバーへ最新の道路情報をより効率よく伝えることができる画期的なものです。その背景には、トンネル内でのドライバーの不注意から生まれる事故を一つでも防ぎたいという企業の願いがあります。NEXCO中日本は、今後トンネル以外の区間でもこのシステムを活用できるよう、技術の研究・開発を進めていく考えです。
運転する方は、こういった企業の取り組みに耳を傾けることはもちろん、これだけ多くの事故が発生していることを改めて認識し、一人ひとりが運転に細心の注意を払う必要があるといえます。

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